『山椒大夫』=森鴎外

帰らぬ父を訪ねて母、娘・安寿とその弟・厨子王、お供の女中・姥竹(うばたけ)が帰らぬ父を訪ねて越中から西国へと旅をしていた。途中、橋下で野宿していると山岡大夫という慈悲深そうな男に寝床を提供すると言われついていったらそれは人売りで、船に乗せられ女中と母は佐渡へ、姉弟は宮崎へ売り飛ばされる。船中、女中姥竹は船から飛び降り自殺、母は佐渡へ。子らは へ奴隷として働かされるが、ある日姉の空想の逃亡話を見回りの奴隷頭に聞かれ額に焼き印を押される。激痛の中お守りとして持っていた地蔵を額に押すと瞬く間に痛みはとれ、地蔵に焼き印が移った。その後姉は弟を逃亡させ自殺、何とか生き延びた弟は地蔵のおかげで国守に上り詰める。母を探しに佐渡へ行ったところみすぼらしい盲目の老婆に会う。老婆のが歌う歌の歌詞には「厨子王こいしや」。厨子王は『臓腑が煮えかえるような』気持ちの中、地蔵を老婆の目に当てるとたちまち潤い厨子王と分かるようになり再開を果たした。

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