『N』=道尾秀介・著 2022.10.19 短編集だが読む順番によって印象が大きく変わるという画期的な手法を取り入れた珍しい一冊。全般的に暗い話が多くハッピーエンドとはならない。話のつながりももう少し深く掘り下げてほしかったが、話題となっていた分、一般的な受けは良かったのだろう。
『博士の愛した数式』=小川洋子・著 2022.10.07 「僕の記憶は80分しかもたない」あまりにも有名なフレーズだがもし現実であったならいったいどんな仕打ちなのだろう。事故で脳にダメージが残り記憶が80分しか持たなくなった博士。毎日衝撃的な病名を朝起きると自分のメモで宣告される。家政婦紹介所から派遣された私は家政婦として博士の身の回りのお世話をするように
『むしろ、考える家事』=山崎ナオコーラ・著 2022.03.12 家事を家事として捉えない。家事に意味をもたせてやるとそれはもはや充実した一つの仕事と変わる。心の奥底にあった言葉にならなかった思いがスッパリと文章に具現化されることで新しい気付きを与えてくれる一冊。
『落合陽一34歳、「老い」と向き合う』=落合陽一・著 2022.03.10 研究者、メディアアーティスト、起業家として活躍されている落合陽一さんが自身にも着々と歩み寄る「老い」について書かれた本です。「人はどんどん『死』を遠ざけ、病院や介護施設の中に追いやってきました」。解剖学者・養老孟子さんとの対談の中で出てくる一節は、死を忌み嫌う現代の考え方を濃く映し出す。死を
『そして、バトンは渡された』=瀬尾まいこ・著 2022.03.10 「困った。全然不幸ではないのだ」。17歳の優子は次々と変わる親にそれぞれの愛情を注がれて暮らす。母には3歳で死に別れるが二人目の母との出会いで明るく楽しい世界が開ける。その後ある事情で父とは離れてしまうが2人目の父とは裕福な暮らしを体験する。さらに3人目の父と出会ったと思ったら2人目の母とは離れるこ